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商標登録を検索する方法は?調べ方や注意点、おすすめのサービスを紹介

公開日 2026年10月16日  監修 弁理士(登録番号 19728)・SPECIAL FLOWER特許事務所 代表 下茂 力

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商標の検索は、特許庁の「J-PlatPat(ジェイ・プラットパット)」を使えば、会員登録も費用もなしにできます。ただし、検索して出てこなかったことと、登録できることは別です。

この記事では、J-PlatPatの3通りの検索の使い分けと、自分で調べたときにどうしても見えない範囲を、弁理士が実際に調査するときの順序どおりに説明します。無料・有料の検索サービスもまとめました。

この記事でわかること
  • J-PlatPatで商標を検索する3通りの方法と、その使い分け
  • 「称呼(類似検索)」で、どこまで読み方の似た商標を拾えるか
  • 自分の検索では見えない出願が、なぜ約2か月分あるのか
  • 検索結果のステータスの読み方と、気にしなくてよいもの
  • 検索で出てこなくても登録できない5つの場合
  • 無料・有料の検索サービスと、自分でやる範囲の線引き
  • どこまで自分でやり、どこから弁理士に頼むか
監修 弁理士(登録番号 19728)・SPECIAL FLOWER特許事務所 代表 下茂 力
長岡技術科学大学大学院修士課程修了。2001年国内特許事務所入所、2013年弁理士試験合格、2015年群馬工業高等専門学校非常勤講師、2026年SPECIAL FLOWER特許事務所設立。特許事務所において20年以上、電子デバイス・機械要素を中心に国内外の特許出願・拒絶理由対応に従事。この記事は、上記の弁理士が内容を確認しています。
免責事項 本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別案件に対する法的アドバイスを提供するものではありません。具体的な案件については当事務所へご相談ください。当事務所は本文書または本文書掲載の情報の利用によって利用者等に何らかの損害が発生したとしても、かかる損害については一切の責任を負うものではありません。

先に手順だけ

時間がない方は、この5手順だけ実行してください。

  1. 使う予定の商品・サービスを、日本語でそのまま書き出す
  2. J-PlatPatの「商品・役務名検索」で、その名前から類似群コードを引く
  3. 「商標検索」の称呼(類似検索)に、生じ得る読み方を全角カタカナで1つずつ入れる
  4. 2で引いた類似群コードを同じ画面で指定して、絞り込む
  5. ヒットしたもののステータスを見て、生きている権利だけを残す

商標の検索とは、何を調べることか

商標登録では、マークと、それを使う商品・サービスをセットで考えます。「この名前は誰も取っていないか」だけでは足りません。

調べるのは、次の1点です。

同じ、または似たマークが、同じ、または似た商品・サービスについて、先に出願または登録されていないか。

これは、商標法4条1項11号が定める「登録できない場合」そのものです。裏を返すと、マークが似ていても商品・サービスが似ていなければ登録できることがあり、逆にマークの見た目が違っても、読み方が同じで商品が同じなら登録できません。

ですから検索は、「マーク」と「商品・サービス」の2本立てで行います。以下、その順に説明します。

1-1. 調べずに使い始めると、何が起きるか

商標を調べないまま名前を使い始めた場合、起こりうるのは次のようなことです。

  • 権利者から警告書が届く。使用の中止と、これまでの分の損害賠償を求められる
  • 看板・パッケージ・名刺・ウェブサイト・アプリ名を全部作り直す
  • すでに流通している在庫を回収する
  • 名前が定着していた場合、積み上げた知名度がそのまま失われる

金額に直せば、調査を頼む費用とは桁が変わります。そして、この損害は「知らなかった」では減りません。商標権の侵害は、過失があったものと推定される仕組みになっているためです。

逆に言えば、名前を決める前の数時間で、この事態はほとんど避けられます。以下は、その数時間の中身です。

J-PlatPatで商標を検索する3つの方法

J-PlatPatは、特許庁と独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)が運営するデータベースです。利用は無料で、会員登録も要りません。

文字の商標を探す入口は3つあります。どれを使うかで、拾える範囲がまったく変わります。

2-1. 簡易検索 ── まず当たりをつける

トップページの検索窓に文字を入れるだけの検索です。「商標」にチェックを入れて検索すると、その文字を含む商標が出ます。

ここで大量に出てくるようなら、その時点で名前を考え直したほうが早い。簡易検索はふるい落としに使うもので、ここで出てこなかったからといって安心はできません。

2-2. 商標検索 ── 文字の並びで探す

画面上部のメニューから「商標」→「商標検索」と進むと、項目を指定した検索ができます。この画面が、以降の作業の中心になります。

検索項目はプルダウンで選びます。文字商標を調べるときに使うのは、次の3つです。

選ぶ項目入れるものいつ使うか
商標(検索用)文字そのもの(全角)その文字を含む商標を探すとき
称呼(単純文字列検索)読み方(全角カタカナ)同じ読みだけを見たいとき
称呼(類似検索)読み方(全角カタカナ)類似まで含めて拾いたいとき=通常はこれ

「商標(検索用)」の欄は、文字の並びそのものを検索します。ワイルドカードが使え、? が任意の1文字、* が任意の0文字以上を表します。「スペシャル*」で前方一致、「*フラワー」で後方一致の検索になります。

この欄で気をつけるのは、表記のゆれです。同じ名前でも、漢字・ひらがな・カタカナ・ローマ字で登録されていれば、文字列としては別物です。考えられる表記を一通り試してください。文字の並びを変えただけの検索には限界があり、そこを埋めるのが次の称呼検索です。

2-3. 称呼(類似検索) ── 読み方で探す

この記事でいちばん覚えて帰っていただきたいのが、この欄です。

「称呼」は「しょうこ」と読みます。呼称(こしょう)ではありません。商標の世界では、マークから生じる読み方・呼ばれ方のことを称呼と呼びます。

称呼の欄は2種類あります。

欄の名前拾える範囲
称呼(単純文字列検索)入力した読みと同じ読みの商標
称呼(類似検索)入力した読みと同一または類似の読みの商標

使うのは「称呼(類似検索)」です。特許庁が持っている称呼類似の判定が働いて、1文字違い、音の入れ替わり、長音の有無といった、人の目では見落としやすい類似を拾ってくれます。

入力は全角カタカナです。半角カタカナやひらがなでは正しく動きません。

そしてもう一つ。1つのマークから生じる読み方は、1つとは限りません。たとえば「SPECIAL FLOWER」なら、「スペシャルフラワー」のほかに「スペシャル」単独、「フラワー」単独の称呼も生じ得ます。生じ得る読み方を全部書き出し、それぞれで検索してください。ここを1通りで済ませてしまう方が、非常に多い。

なぜ「似た読み方」まで拾う必要があるのか

審査で称呼が似ているかどうかを判断するとき、特許庁は、2つの読み方の音質・音量・音調・音節(音数)を比べ、そのうえで、耳で聞いたときの全体の印象が紛らわしいかどうかを見ます。具体的には、次のような点が考慮されます。

  • 相違する音が弱い音かどうか。弱い音は前の音に吸収されて聞き取りにくいため、違いとして評価されにくい
  • 長音と促音の差にすぎないかどうか。「ー」と「ッ」の違いだけなら、似ていると判断されやすい
  • 全体の音数。音数が多いほど、1音違っても全体の響きは近く聞こえる
  • 違う音が、どの位置にあるか。語頭か語尾かで、耳に残り方が変わる

ここから逆算すると、「1文字変えたから大丈夫」は成り立ちません。とくに音数の多い名前で末尾を1音変えただけ、長音を足し引きしただけ、というのは、まず通らないとお考えください。称呼(類似検索)は、この考え方を機械的に再現したものです。だからこそ、自分の目で似ていないと思った名前も、この欄に入れる意味があります。

2-4. 図形のロゴは「図形等分類」で探す

文字のないロゴマークには読み方がないので、称呼検索では拾えません。図形商標には図形等分類(ウィーン分類)という分類が付いていて、これを指定して検索します。J-PlatPatには、この分類を調べるための照会機能があります。

ただし率直に申し上げると、図形の検索は、自分でやるとかなり取りこぼします。星・円・動物といった大分類の下に細かい枝が伸びていて、審査官と同じ枝にたどり着けるとは限らないからです。ロゴが事業の中心にあるなら、ここは専門家に任せる範囲だとお考えください。

検索の次は、出願です
書影

ここまでで、調べる操作はひととおりできるようになります。その先の出願書類そのものの書き方は、株式会社SPECIAL FLOWER COMPANY 代表取締役会長 井澤 佑斗 著『自分でできる 特許(実用新案・意匠・商標)出願の手続きと活かし方』(日本法令・568頁)で解説されています。

本記事に対応するのは、第3編 第1章(7)データベース(ii)特許情報プラットフォームと、第3編 第2章 第4 商標(1)商標登録願です。後者には(iii)商標の決定、(iv)「商品及び役務の区分」と「指定商品・指定役務」の決定、そして様式と記入例が収められています。

検索結果の読み方 ── ステータスを必ず見る

検索してヒットしても、その全部が生きている権利とは限りません。ここを見ずに「似たものがあった」と諦めてしまう方が、かなりいらっしゃいます。

J-PlatPatの検索結果一覧には、各件に商標共通ステータス表示が付いています。これは日本・米国・欧州・中国・韓国の5つの商標当局(TM5)が2016年から共通化した表示で、アイコンと文言で権利の状態がわかるようになっています。

国内の出願では、次の6つが出ます。

ステータス意味あなたにとって
係属/存続 - 出願 - 審査待ち出願されたが、審査がまだ始まっていない障害になり得る
係属/存続 - 出願 - 審査中審査を受けている最中障害になり得る
係属/存続 - 登録 - 継続登録されていて、現在も有効障害になる
終了/消滅 - 出願 - 拒絶/却下/無効出願が拒絶・却下された障害にならない
終了/消滅 - 登録 - 取消/無効登録されたが、取り消された・無効になった障害にならない
終了/消滅 - 登録 - 権利満了存続期間が満了し、更新されなかった障害にならない

つまり、「終了/消滅」と付いているものは、原則として気にしなくてかまいません。逆に「係属/存続」の3つ、とくに審査待ち・審査中のものは、まだ登録になっていないだけで、これから登録されればあなたの障害になります。

なお、特許庁自身が「表示されているステータスだけに頼らず、詳細情報で最新の状況を確認するように」と案内しています。重要な判断をする前には、各件の「経過情報」まで開いてください。

区分と類似群コード ── ここを外すと、検索の意味がなくなる

マーク側の検索ができたら、次は商品・サービス側です。

4-1. 区分は45個ある

商品・サービスは第1類から第45類までの45の区分に分かれています。第1類〜第34類が商品、第35類〜第45類がサービス(役務)です。出願するときは、使う商品・サービスが属する区分を指定します。

中小企業・個人事業で使われることの多い区分を挙げると、次のようなものです。

区分主な対象
第9類電子計算機用プログラム、ダウンロードできるアプリ、電子出版物
第25類被服、履物、帽子
第29類食肉、加工水産物、加工野菜、乳製品
第30類コーヒー、茶、調味料、菓子、パン
第32類ビール、清涼飲料、果実飲料
第33類日本酒、洋酒、果実酒
第35類広告、経営コンサルティング、小売・卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供
第41類教育、セミナーの企画・運営、書籍の制作
第42類電子計算機のプログラムの設計・作成・保守、SaaSの提供
第43類飲食物の提供、宿泊施設の提供

たとえばアプリを作って売るなら、ダウンロード販売するアプリそのものは第9類、クラウドで提供するサービスは第42類と、同じ事業でも提供のしかたで区分が変わります。ここを取り違えると、権利が実態に届きません。

よく「区分が違えば、同じ名前でも登録できる」と言われます。これは半分正しく、半分は誤解を招きます。

4-2. 実際の判断軸は「類似群コード」

審査で商品・サービスが似ているかどうかを判断する軸は、区分ではなく類似群コードです。「32F03」のような5桁の英数字で、同じ類似群コードが付いた商品・サービスは、原則として互いに類似と扱われます。

ここが肝心なところで、

  • 区分が違っても、類似群コードが同じなら類似
  • 区分が同じでも、類似群コードが違えば非類似

となります。つまり、区分だけを見て「別の区分だから大丈夫」と判断すると、間違えます。

具体例で見る

たとえば、コーヒー豆を焙煎して売り、あわせて喫茶店も開くとします。

  • 「コーヒー豆」という商品 … 第30類
  • 「飲食物の提供(喫茶店)」というサービス … 第43類

区分は2つに分かれます。ここで第30類だけで出願すると、同じ名前で喫茶店を開く他社を止められません。逆に、豆を売る予定がないのに第30類まで出願すると、その分の費用が無駄になります。「実際に何を売るか」を先に決めないと、区分は決まりません。

類似群コードは、J-PlatPatの「商品・役務名検索」で、自分の商品・サービス名から引くことができます。まず自分の商品・サービス名からコードを引き、そのコードで先行商標を絞り込む。これが弁理士の調査の順序です。

区分と類似群コードの特定でつまずいたら

新しい業態や、複数の事業をまたぐ商標は、既存の商品・役務名にうまく当てはまらないことがあります。ここを外すと、費用をかけて取った権利が実態に届きません。

SPECIAL FLOWER IP LAW FIRM の初回相談では、実際に販売・提供する内容をうかがったうえで、必要な区分と類似群コードをお示しします。

自分で調べたときに、どうしても見えない範囲

ここが、無料の検索だけで結論を出してはいけない理由です。

5-1. 直近2か月弱の出願は、称呼検索に出てこない

商標は、出願されると約2週間で公開され、出願番号での検索ができるようになります(紙の書類で出願された場合は、さらに2週間ほど遅れます)。

ところが、称呼検索でヒットするようになるまでには、出願から6〜7週間かかります。

つまり、今日あなたが称呼(類似検索)をかけて何も出てこなかったとしても、直近1か月半から2か月のあいだに出された、読み方の似た出願は見えていません。商標は先に出願した人が優先されますから(先願主義)、ここで準備が遅れると、そのまま負けます。

「検索して出てこなかったから、ゆっくり準備しよう」が、いちばん危ない。

5-2. 登録されていない他人の商標は、そもそも載っていない

J-PlatPatに載っているのは、出願・登録された商標だけです。登録していないが実際に使われている他人の商標は、1件も載っていません。

登録がなくても、その名前が需要者のあいだで広く知られていれば、不正競争防止法によって使用の差止めや損害賠償を受けることがあります。商標登録ができたとしても、この問題が消えるわけではありません。

ですから、J-PlatPatの検索と並行して、普通のインターネット検索も必ず行ってください。同じ名前・似た名前の店、商品、サービス、SNSアカウント、ドメイン名。これらが先に存在していないかを見ます。登録の有無より先に、世の中で使われているかどうかのほうが、実害に直結します。

5-3. 国際登録と外国の商標

海外で使う予定があるなら、日本のJ-PlatPatだけでは足りません。WIPO(世界知的所有権機関)の Global Brand Database で、各国の商標を横断的に調べられます。

なお、マドプロ(マドリッド協定議定書)を経由して日本を指定した国際登録は、日本国内で効力を持ちます。これらはJ-PlatPatにも収録されています。

検索で出てこなくても、登録できない5つの場合

先行商標がなくても、次のいずれかに当たると登録できません。検索では発見できないので、ここは知識で潰すしかありません。

① そもそも識別力がない(商標法3条1項)
商品の普通名称、産地・品質・原材料をそのまま表しただけのもの、ありふれた氏や名称、きわめて簡単な標章などは登録できません。

実務で引っかかりやすいのは、「わかりやすい名前ほど、登録しにくい」という点です。商品の中身がそのまま伝わる名前は、裏を返せば誰もが使いたい言葉であり、一社に独占させるわけにいかない。「おいしい水」「よく落ちる洗剤」「渋谷不動産」といった名前が典型です。商品名として良い名前と、商標として取れる名前は、しばしば逆を向きます。

② 他人の氏名を含む(4条1項8号)
2024年4月1日施行の改正で、要件が緩和されました。改正前は、同姓同名の他人全員の承諾が必要でしたが、現在はその商品・サービスの分野で需要者に広く認識されている氏名に限って承諾が必要とされます。ただし、出願人側にその氏名との相当の関連性があること、不正の目的でないことが求められます。

③ 著名な商標と紛らわしい(4条1項10号・15号・19号)
有名なブランドと混同を生じるおそれがあるものは、商品・サービスが違っても登録できません。

④ 品質を誤認させる(4条1項16号)
たとえば、綿を使っていない商品に「コットン◯◯」と付けるような場合です。

⑤ 公序良俗に反する(4条1項7号)

この5つは、検索では見つかりません

先行商標がないことを自分で確認できても、識別力・他人の氏名・著名商標・品質誤認・公序良俗の判断は、条文と審査基準、そして過去の審決・判例に照らして行うものです。ここだけは、調べるのではなく判断する作業になります。

名前を事業の看板にするおつもりなら、この判断の部分にだけ費用をかけてください。初回相談のお申し込みはこちら。

商標検索に使えるサービス

サービス費用特徴
J-PlatPat(特許庁・INPIT)無料称呼類似検索から類似群コード検索まで一通りできる。まずこれ
Global Brand Database(WIPO)無料各国の商標を横断して調べられる。海外で使う名前を調べるとき
民間の無料判定ツール無料名前と区分を入れると登録の可能性を判定する。類似群コードを自動で当ててくれるものもある
民間の有料調査ツール有料AIによる類似商標の調査、図形商標を含む調査、企業の知財部向けの絞り込みなど

無料ツールの判定は、あくまでスクリーニングです。「登録できる可能性が高い」と出ても、それは3条や4条1項各号の判断まで含んだ結論ではありません。

選び方の目安は、次のように考えてください。

  • まずJ-PlatPat。ここが原本です。他のサービスも、元をたどればこのデータを使っています
  • 操作が難しいと感じたら、民間の無料判定ツールを併用する。類似群コードを自動で当ててくれるものがあり、入口としては楽です。ただし結論は預けない
  • 海外で使うなら Global Brand Databaseを必ず見る
  • 民間の有料ツールは、件数が多い会社向けです。年に数件の出願であれば、その費用は調査を弁理士に頼む費用とほぼ変わりません

どこまで自分でやり、どこから頼むか

ここまでの手順は、すべて無料で、自分でできます。では、どこから先が専門家の領域か。線はかなりはっきりしています。

作業自分で頼んだほうがよい場面
同じ名前があるかの確認できる—
称呼(類似検索)での絞り込みできる生じ得る読み方が多い、造語である
類似群コードの特定だいたいできる新しい業態で、既存の商品・役務名に当てはまらない
ヒットした商標が本当に障害かの判断難しいほぼ常に
図形・ロゴの調査難しいロゴが事業の中心にある
3条・4条各号の判断難しいほぼ常に
見つかった後の打ち手の選択難しいほぼ常に

整理すると、「あるかないかを探す」ところまでは自分でできて、「それが障害かどうかを決める」ところから先が専門家の仕事です。

費用の考え方も、同じ線で分かれます。探すところまでは無料です。そのうえで、名前を事業の看板にするつもりがあるなら、判断の部分にだけ費用をかける。名前を決めてから商品を作り、広告を打ち、パッケージを刷った後で他社の権利に当たると、やり直しの費用は調査の費用とは桁が変わります。

弁理士はここを見ている

① 称呼(類似検索)の結果は、答えではなく材料です。
特許庁の称呼類似の判定は機械的なものです。実際の審査では、称呼(読み方)だけでなく外観(見た目)・観念(意味)の3点を総合して類似かどうかを判断します。称呼が似ていても、外観と観念がまったく違えば非類似とされることがありますし、その逆もあります。J-PlatPatで何十件も出てきたからといって、その全部が障害になるわけではありません。出てきた件数ではなく、どれが本当に障害かを選ぶところが調査の中身です。

② 順序が逆になっているご相談が、とても多い。
「この名前を取りたいのですが、何類で出せばいいですか」と聞かれることが非常に多いのですが、正しい順序は逆です。まず、その商標を実際に使う商品・サービスを書き出す。そこから類似群コードを引く。そのコードで先行商標を調べる。この順でないと、使わない区分に余計な費用を払うか、肝心の区分が抜けるかのどちらかになります。区分は1つ増えるごとに特許庁への費用が上がりますから、ここは金額に直結します。

③ 「調べたけど出てこなかった」には、調べ方を付けてください。
ご相談のときに「自分で調べたけれど出てこなかった」とだけ言われても、こちらは判断できません。どの欄に、どの読み方を、何通り入れたか。これがあると、やり直しが必要な範囲だけに絞れて、調査の費用も時間も下がります。検索結果の画面を保存しておいていただけると、なお早い。

よくある質問

Q. 検索はいくらかかりますか。
J-PlatPatの利用は無料です。費用がかかるのは、弁理士に調査と判断を依頼する場合です。

Q. 検索は何回やればいいですか。
最低でも、生じ得る読み方の数だけです。そのうえで、出願の直前にもう一度かけてください。5-1で述べたとおり、直近の出願は遅れて見えるようになるためです。

Q. すでに登録されている商標と同じ名前でも、区分が違えば使えますか。
区分ではなく類似群コードで判断します。4章をご覧ください。

Q. ひらがな・カタカナ・ローマ字で、それぞれ登録が必要ですか。
称呼が同じであれば互いに類似と判断されるのが通常ですから、1つの登録で他の表記も排除できることが多いです。ただし、自分が実際に使う表記で登録しておくほうが安全です。

Q. 検索でヒットしたものが、もう使われていないようです。それでも障害になりますか。
ステータスが「係属/存続 - 登録 - 継続」であれば、実際に使われていなくても権利としては有効です。ただし、登録後3年以上継続して使われていない場合は、不使用取消審判を請求して取り消せる可能性があります。まずステータスを確認し、生きている権利であれば、使用の実態を調べる段階に進みます。

Q. 会社名(商号)を登記してあれば、商標登録は要りませんか。
別の制度です。商号の登記は、その商号を名乗ることを認めるものにすぎず、他人が同じ名前を商標として使うことを止める力はありません。逆に、他人がその名前を商標登録していれば、登記した商号であっても使用が制限されることがあります。

Q. 検索は英語表記でもやるべきですか。
はい。ローマ字表記のマークでも、日本語の称呼が生じます。ローマ字での文字検索と、カタカナでの称呼検索の両方をかけてください。

Q. 検索して問題がなさそうでした。すぐ出願したほうがいいですか。
はい。商標は、先に出願した人が優先されます(先願主義)。使い始めた順ではありません。名前を公表したり、商品を発表したりする前に出願を済ませておくのが安全です。

Q. 商標登録した後も、検索は必要ですか。
必要です。他社が似た商標を出願してきたときに気づけるよう、定期的に確認するか、監視のサービスを使います。気づかずに登録されてしまうと、異議申立てができる期間(公報発行から2か月)を逃します。

Q. 似たものが見つかりました。もう諦めるしかないですか。
いいえ。商品・サービスの範囲を絞る、マークに要素を足す、先行商標の権利者と交渉する(コンセント制度)、3年以上使われていなければ不使用取消審判を請求する、といった手が残っています。見つかった時点が終わりではありません。

まとめ

  • 商標の検索は、J-PlatPatで無料でできる
  • 使うのは「称呼(類似検索)」。全角カタカナで、生じ得る読み方を全部入れる
  • 商品・サービスの側は、区分ではなく類似群コードで見る
  • ヒットしても「終了/消滅」のものは原則として障害にならない。ステータスを必ず見る
  • 直近2か月弱の出願は、称呼検索にまだ出てこない。出願の直前にもう一度かける
  • 登録されていない他人の商標は載っていないので、通常のネット検索も併せて行う
  • 検索で出てこなくても、識別力・他人の氏名・著名商標・品質誤認・公序良俗で落ちることがある
  • 似たものが見つかっても、絞る・足す・交渉する・取り消すという手が残っている

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