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特許手続きにおける電子化手数料の仕組みと書面申請時の計算方法・注意点

8月31日
読了時間: 5分

特許手続きを書面で提出すると、どのような追加費用が発生しますか。

特許庁に書面で手続きを提出する場合、手続きの内容を電子化するための手数料として、1件につき2,400円に書面1枚につき800円を加えた電子化手数料が発生します。電子出願ソフトを利用した電子申請であれば、電子化手数料は不要となります。


01|書面申請で発生する電子化手数料の仕組み


電子化手数料の算出ルール


特許や商標などの手続きを書面で特許庁に提出する場合、原則としてその書面を電子化するための手数料の納付が義務づけられています。これを電子化手数料と呼びます。

具体的には、手続き1件につき2,400円の基本料金に、提出する書面1枚につき800円を加算した金額となります。提出する書類の枚数が増えるほど、1回の手続きで発生する手数料も高くなります。


具体的な手続きにおける計算例


実務でよくある手続きを例に挙げて計算してみます。例えば、特許出願の出願審査請求書(1枚)と手続補正書(2枚)を同時に書面で特許庁へ提出する場合を考えます。

まず、出願審査請求書の手数料は、2,400円に1枚分の800円を加えて3,200円となります。

次に、手続補正書の手数料は、2,400円に2枚分の1,600円を加えて4,000円となります。

これらを合計すると、両方の書類を提出するために7,200円の電子化手数料が必要になります。このように、書類の件数および枚数に応じて費用が加算されるため、手続きを何度も書面で行うと全体のコストが大きく膨らむことになります。


02|電子化手数料の未納に伴うリスクと特許庁の方針


手続きの遅延と却下のリスク


書面申請を行う際、注意しなければならないのが電子化手数料の納付タイミングです。特許庁では、電子化手数料の納付が完了しない限り、提出された書類を受理扱いとしません。

もし電子化手数料を支払わなかった場合、提出した手続きそのものが却下されることになります。手続きの受理が遅れることは、出願人にとって期日の遅延や権利化上の不利益につながるため、書面提出を選択する場合は手数料の納付漏れに十分留意する必要があります。


ペーパーレス推進の背景


行政手続きの中には、書面での提出に対して電子化のための手数料を課さない制度も存在します。しかし、特許庁においては特許手続き等の迅速かつ効率的な処理を実現し、膨大な特許情報をオンラインで提供することを目的にペーパーレス計画を推進しています。

そのため、書面申請には電子化のコストを負担させる仕組みが採られており、事業者が継続的に手続きを行う上では電子申請への移行が有効な選択肢となります。


03|電子申請の費用構造と導入に必要な準備


電子出願ソフトの費用


電子申請を選択した場合、書面申請のような電子化手数料は発生しません。また、特許庁が提供している電子申請用のソフトウェアである電子出願ソフトは、利用料がかかりません。

電子出願ソフトのパソコンへのインストールや、将来的なソフトウェアのアップデートについても費用は無料です。ソフト本体の運用コストを気にすることなく利用できる点が特徴です。


電子証明書の取得および維持費用


電子申請を行うためには、電子提出時の電子署名に用いる電子証明書を準備する必要があります。この証明書の取得や維持には、利用者の形態に応じた費用が発生します。

個人の場合はマイナンバーカードを使用します。法人の場合は商業登記電子証明書が必要となります。

商業登記電子証明書は、設定する証明期間に応じて発行手数料が定められています。たとえば、証明期間を3か月とする場合の発行手数料は1,100円です。電子申請を導入する際は、ソフトの利用料ではなく、こうした証明書の維持費用をあらかじめ確認しておくことが大切です。


04|電子申請の運用環境と実務上のメリット


パソコンの動作環境とOSの注意点


電子出願ソフトはWindowsの環境に対応しています。特許庁が提供するソフトを支障なく動かすため、パソコンのOSは最新の状態に更新しておくことが推奨されます。

もしMicrosoft社による古いOSのサポートが終了した場合、特許庁のサポートも同時に終了し、そのOSでは電子申請ができなくなります。

また、Macを使用して電子申請を行う場合は仮想空間(BootcampやParallelsなど)を利用する手法がありますが、特許庁はMac環境での動作保証を行っていません。OSやドライバーのアップデートによって動作に支障が出るリスクがあるため、Macで作業を行う場合でも、緊急時に備えてWindowsで電子出願できる予備のパソコンを用意しておくことが推奨されます。


発送書類の受領と送信記録の確認


電子申請を導入すると、特許庁から送付される発送書類を電子出願ソフト経由でデータ受領できるようになります。データはPDFやHTMLファイルとして保存できるため、社内のクラウドや管理ソフトへの格納、他者との情報共有が容易になります。書面受領のようにスキャン作業や保管場所の確保といった手間、書類紛失のリスクを大幅に削減できます。

さらに、電子出願ソフトでデータを提出すると、特許庁に受領された時点で画面上に「接受」と表示され、提出日時とともに即時確認が可能です。書面のように郵便の追跡サービスを確認する手間をかけず、確実に受領されたことを把握できます。


初回相談のご案内


知財手続きのコスト見直しや出願手続きの進め方についてご不安がある場合は、専門家へのご相談をおすすめします。当事務所では知財手続きに関する初回相談を受け付けております。電子申請への移行や書類作成についてお気軽にお問合せください。


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監修


弁理士 下茂 力


免責事項


本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別案件に対する法的アドバイスを提供するものではありません。具体的な案件については当事務所へご相談ください。当事務所は本文書または本文書掲載の情報の利用によって利用者等に何らかの損害が発生したとしても、かかる損害については一切の責任を負うものではありません。

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