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特許電子申請での識別番号の取得手順と証明書ストアの選択基準

9月1日
読了時間: 6分

特許の電子申請で使用する識別番号はどうやって取得し、どのように証明書を登録すればよいですか? 特許庁が提供する電子出願ソフトを使い、個人はマイナンバーカードなどのICカード形式、法人は商業登記電子証明書などのファイル形式(証明書ストア)やICカード形式を選択して、ソフト内の申請人情報・証明書管理ツールから取得・登録の手続きを行います。

本記事では、経営者や中小企業の担当者に向けて、識別番号の取得手順や、ICカード形式・ファイル形式ごとの登録方法、社内ガバナンスに応じた設定の選び方を詳しく解説します。


01|特許電子申請における識別番号と電子証明書


特許の電子申請を進めるにあたり、まず理解しておくべきなのが識別番号と電子証明書の役割です。


識別番号とは


識別番号とは、手続を行う者に対して特許庁長官が直接付与する9桁のアラビア数字からなる固有の番号です。この番号と電子証明書を紐づけて登録することにより、電子出願ソフトを通じた本人認証が可能になり、インターネット経由での安全な申請が行えるようになります。


利用できる電子証明書


電子申請の際に申請内容へ署名するために使用する電子証明書は、手続者の区分によって異なります。手続者が個人または企業内個人の場合は、マイナンバーカード(個人番号カード)や、特許庁が指定する認証局(セコムパスポート for-G-ID、DIACERTサービスなど)の電子証明書が利用できます。 一方、手続者が法人の場合は、法務省電子認証登記所が発行する商業登記電子証明書が利用可能です。


02|識別番号の取得と登録の基本手順


識別番号の取得と電子証明書の登録手続きは、特許庁が提供する電子出願ソフトの「申請人情報・証明書管理ツール」を使用して行います。


新規取得と既存登録の違い


識別番号をまだ持っていない方は、新規取得と同時に電子証明書との組み合わせを特許庁に登録します。すでに識別番号を持っている方(例えば、新しいパソコンに電子出願ソフトをダウンロードした方など)であっても、ソフトの利用を開始するためには、あらためて識別番号と電子証明書の組み合わせを登録するプロセスが必要です。


認証形式の選択


登録プロセスは、電子証明書の形式によって「ICカード形式」と「ファイル形式(証明書ストア)」の2つに分かれます。どちらの形式を用いるかによって操作方法や利用環境が変わるため、自社の運用体制に適した形式を選ぶことが重要です。


03|ICカード形式による登録手順


ICカードに記録された電子証明書を、その都度カードリーダーで読み取ることで認証を行う方法です。


ICカード形式の操作手順


まず電子出願ソフトを起動し、本人認証画面の右下にある歯車マークの「設定」ボタンから「申請人情報・証明書管理ツール」をクリックします。 次に「証明書モード確認」画面が表示されるため、「ICカード」を選択します。 続いて「識別番号取得&利用登録」をクリックします。 識別番号がない方は「識別番号取得」タブを選択し、画面上の注意事項を確認してチェックを入れた後に「起動」をクリックします。その後、電子署名を行い、画面の指示に従って申請人情報を入力すると識別番号が発行されます。 すでに識別番号がある方は「申請人情報・証明書の登録」タブを選び、「申請人利用登録/証明書追加」を選択して「起動」をクリックします。識別番号を入力して電子署名を行うことで、登録が完了します。


04|ファイル形式による証明書ストアの選択基準と登録手順


ファイル形式は、ファイルタイプの電子証明書をもとに認証を行う方法です。コンピューター内に「証明書ストア」を生成・記録し、それを利用して本人認証を行います。


証明書ストアタイプの選択基準


ファイル形式で手続きを進める際、ソフト内で「証明書ストアタイプ確認」の画面が表示されます。ここでは自社の状況に応じて以下のタイプを選択します。

PC限定タイプ: 申請手続きを行ったパソコンのみで利用できる証明書ストアです。法人の規模が小さく、1台のパソコンに業務を集約させたい場合や、上長がパソコンを直接管理するなど、秘密情報の厳格な管理を行いたい場合に適しています。

PC任意タイプ: 利用するパソコンを限定しない証明書ストアです。1つの電子証明書を使い、社内の複数のパソコンに登録して手続きを行えるため、実務を担当する従業員が多い場合に効果的です。

他PC用PC限定タイプ: すでに識別番号を持っていて追加登録を行う際に選択できるタイプです。電子証明書を保管する専用部門のパソコンで証明書ストアを生成し、実際に申請を行う利用部門のパソコンにそのデータをインストールさせます。


ファイル形式の登録手順


ICカード形式と同様に「申請人情報・証明書管理ツール」を起動し、モード確認で「証明書ストア」を選択して「識別番号取得&利用登録」をクリックします。 新規取得の場合は「識別番号取得」タブから起動し、希望する証明書ストアタイプ(PC限定またはPC任意)を選びます。その後、証明書ストアの作成先と、ソフト起動時に入力するパスワード(Pin)を指定して、指示通りに設定を進めます。既存の識別番号がある場合も「申請人情報・証明書の登録」タブから同様にタイプを選択して完了させます。


05|電子申請の準備における実務上の注意点


電子申請を円滑に完了させるためには、システムの導入ステップだけでなく、以下の周辺環境や支払い方法の準備にも配慮する必要があります。


ICカードリーダーとOSの注意点


電子証明書がカードタイプの場合は、接続するICカードリーダーと、そのドライバーのインストールが必須です。 特にMacユーザーがWindowsの仮想空間上で電子出願ソフトを使用する場合、多くのICカードリーダーが仮想空間上で正常に認識されないという問題があります。動作保証のある機器を選ぶように注意してください。万が一、申請当日にシステムが起動しないなどの問題が生じた場合は、書面申請による手続きへの切り替えも検討する必要があります。


手数料の支払手段の用意


電子申請の際には、特許庁への手数料などの支払手段を用意しておく必要があります。主な支払手段には、予納、現金納付、クレジットカード納付、電子現金納付、口座振替があります。個人の場合は使いやすい方法を、法人の場合は社内の経理体制に合わせた決済手段をあらかじめ準備してください。


電子出願ソフトサポートサイトと相談窓口の活用


電子出願ソフトの仕様や各種書類の様式は定期的に変更されます。最新のソフトや操作ガイドは、特許庁が運営する「電子出願ソフトサポートサイト」で確認できます。 また、環境設定や操作方法、システムの不具合に関して分からないことがあれば、特許庁が開設している電子申請に関するサポートセンターに相談することも可能です。

電子申請のシステム設定や社内管理体制の構築、あるいは実際の出願手続きそのものについて専門家へ依頼することを検討される場合は、ぜひお気軽にご相談ください。当事務所では、特許出願の各種手続きや電子申請の準備に関する初回相談を受け付けております。実務における疑問点やガバナンス面の懸念など、状況に合わせた丁寧なサポートを提供いたします。


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監修


弁理士 下茂 力


免責事項


本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別案件に対する法的アドバイスを提供するものではありません。具体的な案件については当事務所へご相談ください。当事務所は本文書または本文書掲載の情報の利用によって利用者等に何らかの損害が発生したとしても、かかる損害については一切の責任を負うものではありません。

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