top of page
< Back

書面受領の方法と受領日

特許庁に対する出願や各種届出の手続きを適切に進めるための事前準備は、迅速な権利化と無駄な費用の抑制を目指す実務家および中小企業の担当者にとって極めて重要な課題です。出願書類の作成や提出、特許庁から届く通知などの書面受領への対応を外注するのか内製するのかによって、要するコストや期間は大きく変動します。自社で手続きをコントロールし、適切な受領管理や迅速な提出を行うための基礎知識と実務の進め方について整理します。

出願手続きの内製化と即日出願の重要性

中小企業向けの小規模の任意代理人は、財務的な体力がないことから、提示する費用が高い方の金額になる傾向が見られます。しかし、外注費用の差だけで一概に委任した成果物の質が変わるわけではなく、これは産業上の問題といえます。手続きを内製化した場合、自社の人件費などを考慮したとしても、外注するコストに比べて大幅なコストカットを実現することが可能です。

具体的な費用の削減効果として、企業の場合であれば、10件の特許出願を内製することで450万円から1,000万円のコストカットが可能です。このようにして削減できた資金は、別の特許出願に回すことや、事業に必要な投資に充てることもできます。また、個人発明家の場合は自らが対応するため人件費という概念がなく、45万円から100万円の出願費用をゼロにできるだけでも資金面で相当な助けとなります。

内製化のもう一つの極めて大きなメリットは作業の速さです。すべての手続きを内製しているSPECIAL FLOWER COMPANYという企業では、従業員が何か発明をした場合、その日中に特許出願の願書を完成させて、即日で特許庁に電子出願を行っています。

これに対し、慣習的に特許願の作成を任意代理人に外注した場合には、仮案の納期だけで1か月から2か月がかかるのが一般的です。さらに、依頼者がその仮案を確認して修正を任意代理人に指示するなどのやりとりを繰り返すことになり、特許出願を完了するまでの期間が大幅に遅れることになります。競争の激しい産業分野においては、出願までの時間の遅れが生じることで、他者に先に出願されてしまうリスクが高まるため、作業の速さを確保することは非常に重要です。

さらに、すべての手続きの内製を行うと、それぞれの知見が相互に役立ち、質の向上にもつながります。審判や訴訟を経験したことで得られた教訓は、次回以降の書類作成における文面に活かすことができます。ライセンスビジネスの経験なども書類作成や権利活用に寄与します。なお、登録料の納付に関しては「自動納付」の仕組みを参照してください。

意匠登録出願および商標登録出願の実務準備

特許庁への出願準備を進める際、意匠登録出願や商標登録出願についても内製によって効率的に進めることが可能です。意匠登録出願は、必要な図面を用意することができれば問題なく出願を完了できます。図面以外の願書の記載方法については、格別に難しい箇所はありません。

出願にあたって図面の準備に苦労する場合がありますが、企業であれば製図ソフトウェアを利用して6面図をすぐに用意できるケースがあります。専用のソフトウェアを保有していない個人発明家などの場合は、無地の背景を購入し、背景を無地にした状態でスマートフォンを使って意匠登録出願に係る実物を6方向から写真撮影する方法も有効です。また、作図作業については外部へ外注することや、AIを利用して描画することも可能です。

意匠登録出願においては、万が一書類の書き方を誤って拒絶査定になってしまった場合であっても、出願公開がなされません。そのため、事業上において致命的な失敗にはなりにくいという特徴があります。もしもうまくいかなかった場合には、書類の内容を改善して改めて出願し直せばよく、書類作成の途中で不安が生じた場合には専門家に質問して確認するとよいでしょう。意匠登録出願に必要な印紙代は16,000円であり、自社で試してみようと思える金額水準といえます。

商標登録出願は、他の知的財産権の手続きと比較して用意すべき書類が少ない手続きです。商標登録出願を行う際には指定商品や指定役務を選択する必要がありますが、どの指定商品・役務を選択すべきか迷った場合には、ひとまず多めに記載して出願することも一案です。多めに記載して出願した結果、特許庁からの拒絶理由通知で問題となった指定商品・役務については、その通知への対応段階で整理していくことが可能です。

書面受領の方法と受領日の確認における留意点

特許庁に対する手続きを進める上では、出願書類の提出だけでなく、特許庁から送付される書面の受領方法や、受領日がいつになるかの管理が極めて重要になります。特許庁からの拒絶理由通知書や各種通知書面は、その後の応答期間や手続き期限を判断する基準となる場合があります。

電子出願を行っている場合は、発明当日に願書を完成させて即日で特許庁へ提出できるような迅速性がありますが、特許庁から発行される書面の受領方式や、書面で受領する場合の受領日の確定ルール、具体的な送達・交付の取り扱いについては、手続きの種類や申請形式によって異なります。書面の受領方法や受領日の詳細な規定については、特許庁の最新の案内を確認してください。

意匠登録出願において拒絶査定となった場合や、商標登録出願において指定商品・役務に関して拒絶理由通知を受領した場合など、特許庁からの書面を受け取った後は速やかな対応が求められます。受領日を起点とした期限管理を誤ると、手続きの補正や出願のやり直しのスケジュールに影響を与えるため、自社で手続きを管理する際には、書面を受領した日付と通知内容を正確に把握できる体制を整えておく必要があります。

よくある質問

意匠登録出願の図面を作成する専用ソフトがない場合はどうすればよいですか?

製図ソフトウェアがない場合でも、無地の背景を用意してスマートフォンで背景を無地にした実物を6方向から撮影した写真を用いることが可能です。また、作図部分のみを外注することや、AIを利用して描画する方法を選択することもできます。

特許出願を代理人に依頼する場合と自社で内製する場合で納期にどの程度の差が出ますか?

代理人に外注した場合は仮案の納品までに1か月から2か月程度を要し、その後の修正指示ややり取りでさらに出願までの期間が遅れる傾向があります。自社ですべて内製している企業では、従業員が発明したその日中に特許願書を完成させ、即日で特許庁へ電子出願することが可能です。

出願書類の作成や手続きに不安がある場合はどのように対応すべきですか?

意匠登録出願のように、書き方を誤って拒絶査定になっても出願公開されず致命的な失敗になりにくい手続きもあります。書類作成の途中で不安になった場合には専門家に確認するか、手続きの詳細について特許庁の最新の案内を確認してください。

特許庁から送付される書面の受領方法や受領日はどのように決まりますか?

出願や手続きに関連して特許庁から届く書面の受領方法や、受領日の基準に関する詳細な手続きルールについては、特許庁の最新の案内を確認してください。

商標登録出願で指定商品や指定役務の選び方に迷った場合はどう記載すればよいですか?

指定商品・役務の選択に迷った場合は、ひとまず多めに記載して出願するのも一案です。審査の過程で特許庁から拒絶理由通知を受け、問題となった指定商品・役務が示された段階で対応を検討することができます。

特許庁への手続き|電子申請・書面申請・費用の手続き一覧に戻る

あわせて確認したい手続き

bottom of page