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発送書類の受領方法の選択と変更

特許庁へ出願や各種申請を行った後、特許庁から届く通知書類を確実に受け取り、適切に管理することは、出願人や企業の知財担当者にとって権利を守るための重要な実務です。拒絶理由通知書や補正指令書などの書類には法的な応答期間が定められている場合があり、誰宛てに、どのような方法で書類が届き、いつを受領日として取り扱うかを正しく把握しておく必要があります。ここでは、特許庁からの発送書類の受領ルールをはじめ、書面による申請手続きの進め方や留意点、さらに関連する費用の軽減策について解説します。

特許庁からの発送書類の受領方法と受領日の取扱い

特許庁から発送される書類を受け取る際の住所や送付先、受領日の基準は手続きの形態によって明確に定められています。

書類の送付先と受領の原則

特許庁が発送書類を準備すると、特許庁に届け出られている住所宛に紙で発送されます。特許庁に届け出られている住所とは、特許願、実用新案登録願、意匠登録願、商標登録願などの各種登録願に記載された出願人の住所です。

  • 複数の出願人が記載されている場合:筆頭出願人の住所宛に発送されます。
  • 代理人を記載している場合:出願人が複数か否かにかかわらず、その代理人の住所へ発送されます。

発送書類の受領日と応答期間の起算

特許庁から発送された書類は、原則として自身の住所に送達された日が「この書類を受け取った日」となります。

  • 応答期間のある書類の発送方法:補正指令書や拒絶理由通知書など、所定の応答期間が定められている書類は、簡易書留で発送されます。
  • 受領日の確定:郵便局員から書類が手渡されるため、その受領日が「この書類を受け取った日」となります。手渡しでの受領となるため受け取り漏れの心配がなく、特許庁側でも追跡番号により受領日を把握しています。
  • 応答期間の起算方法:応答期間の計算は、書類を受領した日の翌日を1日目として起算します。

書面申請の窓口受付と郵送手続き

特許庁へ書面で各種出願や届出を提出する場合、窓口へ持参する方法と郵送等で送付する方法があります。

特許庁窓口での提出手続き

書面申請を行う場合、特許庁の窓口で受付を行っています。

  • 窓口の住所:〒100-8915 東京都千代田区霞が関三丁目4番3号
  • 受付時間:平日の9時から17時まで(土曜日、日曜日、祝日、12月29日から翌年1月3日までの年末年始は閉庁となります)
  • 受付場所:国内出願関係書類は1階南側の「出願課受付カウンター」、国際出願関係書類は1階北側の「国際出願室受付カウンター」で受け付けます。
  • 受付スタンプの受領:提出書類のコピーを持参すれば、コピー側に受付スタンプを押印してもらえます。受付スタンプが押されたコピーは、書面を正式に提出した証拠となります。

書面送付による提出手続きと宛先

郵送等で書面を提出する場合の送付先は、書類の種類に応じて以下のように分かれています。

  • 国内出願関係書類の送付先:
    〒100-8915 東京都千代田区霞が関三丁目4番3号 特許庁長官 宛
  • 特許協力条約(PCT)に基づく国際出願関係書類:
    〒100-8915 東京都千代田区霞が関三丁目4番3号 特許庁審査業務部出願課 国際出願室 受理官庁 宛
  • ハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく書類:
    〒100-8915 東京都千代田区霞が関三丁目4番3号 特許庁審査業務部出願課 国際意匠・商標出願室 宛
  • マドリッド協定議定書に基づく国際出願関係書類:
    〒100-8915 東京都千代田区霞が関三丁目4番3号 特許庁審査業務部出願課 国際意匠・商標出願室 宛

書面送付における注意事項と用紙規格

書類を送付する際は、送付方法および用紙の仕様に注意が必要です。

  • 推奨される送付方法:郵便、または「民間事業者による信書の送達に関する法律」に定められる「信書便」で提出します。郵便における書留、簡易書留、特定記録などの追跡サービスを付けることが推奨されています。
  • 提出日の取扱いに関する注意点:郵便または信書便以外で送付した場合、特許庁に到達した日が書類等の「提出日」となることがあります。提出期間が定められている案件では、書類の到達が遅れることで期限に間に合わなくなる可能性があるため注意してください。また、国際出願関係書類(国際段階)については、特許庁に書面が到達した日が書面の「提出日」となります。
  • 商標等の用紙規格:商標登録願等の書面提出に使用する用紙は、マットコート紙(半光沢紙)または上質紙(非塗工紙)で、厚さ0.18mm、斤量86.5kgA版(坪量157g/m2)、サイズA4、印刷方向は縦と定められています。また、A版(坪量153.5g/m2)、サイズA4、印刷方向:縦の仕様も規定されています。
  • 特許印紙の貼付:申請手続きに手数料や登録料が必要な場合は、郵便局等で購入した特許印紙を書面の左上に貼り、その下にかっこ書「( )」で貼付した金額を記載して提出します。

書面提出後の電子化手数料と確認書類

書面で提出した手続きは特許庁側でデータ化されるため、電子化手数料の納付手続きが発生します。

電子化手数料の納付手順

手続書面を特許庁に提出した後、約2週間程度で手続者のもとへ登録情報処理機関(一般財団法人工業所有権電子情報化センター)から「電子化料金納付のご案内」(振込用紙)が送付されます。

  • 振込先:振込用紙に記載された金額を、ゆうちょ銀行又は金融機関で振込みます。
  • 納付期限:手続書面の提出から30日以内です。電子化料金納付の案内を受領してから14日以内に振込みを行う必要があります。
  • 未納時の注意:電子化手数料を納付しない場合、手続きがなかったものとして処分(出願等の手続きが却下)されますので十分な注意が必要です。

納付後の通知書類

電子化手数料の納付が完了した後の手順として、出願書類を提出した場合には「出願番号通知」が、出願書類以外を提出した場合は「受領書」がそれぞれ圧着はがきで送付されます。

助成事業を活用した知財費用の削減

個人発明家や中小企業者は、出願や権利維持にかかる経費を軽減するために各種助成事業や減免制度を活用することができます。自社で知的財産権の取得や権利維持、ビジネス応用を行う「内製」を進めることで、外部委託費用を抑えることも可能です。

国内自治体の助成事業

日本の各自治体では、所定の条件下で特許、実用新案、意匠、商標の出願から登録にかかる特許庁への印紙代や、任意代理人への委託費用などを助成しています。助成事業の多くは経費の半額までを助成します。

  • 助成事業の検索方法:検索エンジンで「知的財産権取得支援事業」と検索します。居所や事業所の住所(例:「知的財産権取得支援事業 東京都」や各市区町村名)を追加して検索することも可能です。助成事業は年ごとに制度が改正されるため、最新の制度については各助成事業のホームページや特許庁の最新の案内を確認してください。
  • 補助対象となる主な経費:申請前1年間に支払った出願料、審査請求料、技術評価請求料、特許料、登録料、図面作成費、弁理士または弁護士に支払った費用、電子化料金などが幅広く対象となる自治体事例があります。

助成事業利用時の注意点

助成制度を利用する際は、以下の点に配慮して計画を立てる必要があります。

  • 申請と支払いの前後関係:多くの助成事業では、特許庁への申請や発注がすでに完了している案件(前年度に費用が発生した案件など)を対象としています。
  • キャッシュフロー:費用は一度自身で全額を支払った後、助成事業の運営者から定められた金額が支給されます。
  • 人的コスト:事業計画書の提出や数年後までの事後報告、書類補正指令への対応などが必要となる場合があり、これらに対応するための書類作成時間や人的コストが発生します。
  • 補助上限:助成金には一般的に数十万円程度の上限が設けられており、案件数が多い場合は上限を超えることがあります。

海外知財活用支援事業

日本の各自治体等では、外国への特許、実用新案、意匠、商標の出願から権利維持以降において、外国特許庁への印紙代、必要な日本国内および外国の任意代理人への委託費用などを助成する「海外知財活用支援事業」も実施されています。こちらの多くも経費の半額までを助成する制度となっています。

よくある質問

特許庁からの書類は出願人全員に届きますか?

いいえ、出願人が複数記載されている場合は、筆頭出願人の住所宛にのみ発送されます。また、代理人を記載している場合は、出願人の人数にかかわらず代理人の住所へ送付されます。

拒絶理由通知書が届いた場合の応答期間はいつから数えますか?

拒絶理由通知書などの応答期間がある書類は簡易書留で手渡し送達されます。その書類を受け取った日の翌日を1日目として起算します。

郵送で提出する場合、どの発送方法を使えばよいですか?

郵便または信書便を利用し、書留、簡易書留、特定記録などの追跡サービスを付けて発送することが推奨されています。郵便・信書便以外で送付した場合、特許庁に到達した日が提出日として扱われることがあるため注意してください。

電子化手数料の振込用紙はいつ届き、いつまでに支払えばよいですか?

書面提出後、約2週間程度で「電子化料金納付のご案内」が届きます。提出から30日以内かつ案内受領から14日以内に納付する必要があります。未納の場合は手続きが却下されます。

特許庁の窓口で書面を提出した控えを残すにはどうすればよいですか?

提出書類のコピーを持参して提出すると、窓口でコピー側に受付スタンプを押印してもらえます。これが書面を提出した証拠となります。

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