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減免制度の対象者と受け方

特許庁への手続きにおける減免制度は、出願や権利維持にかかる費用負担を軽減したい中小企業、小規模企業、個人などの手続者にとって重要な仕組みです。審査請求や特許料(年金)の支払いなどの手続時に適切な減免区分を特定・適用することで、手続にかかる費用を削減することが可能となります。自身がどの対象区分に該当するかを正しく把握し、適切な手順で手続きを進める必要があります。

減免制度の対象者と減免区分の特定手順

特許庁の減免制度を利用するためには、まずご自身や自社がどの対象区分に該当するのかを確認し、必要な情報を特定する作業を行います。

大区分の確認と選択

減免制度の対象となる大区分には、以下のような分類が存在します。

  • 中小企業
  • 中小スタートアップ企業
  • 小規模企業
  • 研究開発型中小企業(みなし大企業であっても研究開発が盛んな場合)
  • 法人税非課税中小企業(非課税の法人の場合)
  • 個人(市町村民税非課税者等)(非課税の個人的立場の場合)
  • 大学などの研究機関関連
  • 福島復興再生特別措置法の中小企業

まずはこれらの大区分の中から、ご自身の状況に当てはまる項目を選択します。

階層的な区分の特定と「特許法施行令第10条●号●」の控え

大区分を選択した後は、さらに細かい区分を確認する段階へ進みます。手続上の区分は、特許法施行令の以下のような階層構造によって整理されています。

  1. 特許法施行令第10条
  2. 号(例:第1号など)
  3. イ・ロ・ハなどの細分化された文字

このように「第10条」「第1号」「イ」「ロ」「ハ」と階層順に辿り、イロハ順の文字まで特定できれば、自身の減免区分の特定は完了となります。

特定が完了したら、自身が特定した「特許法施行令第10条●号●」の文字列をそのまま控えておきます。この控えた記載は、審査請求や特許料(年金)の支払い手続きにおいて直接使用することができます。

権利の種類による減免適用の違い

減免制度は、すべての知的財産権で一律に適用されるわけではありません。権利の種類によって適用範囲が異なります。

  • 特許:各種減免区分に応じて適用されます。
  • 実用新案:「個人(市町村民税非課税者等)」のみ減免の適用があります。
  • 意匠登録・商標登録:減免制度はありません。

なお、意匠登録や商標登録については現時点で減免制度が存在しませんが、今後の国の知的財産権に関する方針が変わる場合もあります。最新の減免制度については、特許庁の最新の案内を確認してください。

手続の内製化と費用・運用の効果

特許庁への各種手続きを自社や自らで行う「内製」を進めることで、費用面の削減だけでなく、手続きの速度や運用の質に関しても大きな影響が得られます。

外注費用と内製費用(コストカット)の比較

特許出願や権利維持の手続きを任意代理人に外注する場合と、電子申請体制を完備して自ら内製する場合では、必要な費用に明確な差が生じます。日本において慣習的に任意代理人へ外注した場合にかかる一般的な費用水準は以下のとおりです。

  • 特許願の作成と特許出願:1件あたり25万円から60万円
  • 中間応答:10万円から20万円
  • 設定登録時の成功報酬:10万円から20万円
  • 外注コストの総計:1件あたり50万円から100万円

大企業の場合は年間の依頼件数が多いため、任意代理人からボリュームディスカウントの提案を受け、上記のうち安い方の金額が提示される傾向があります。一方で中小企業向けの小規模な任意代理人は、そのような価格を提供できる財務的体力がないため、高い方の金額を提示する傾向があります。

これに対し、内製を行った場合は自社の人件費等を考慮しても大幅なコストカットが可能です。個人発明家の場合は自ら対応するため人件費の概念がなく、45万円から100万円の出願費用をゼロにすることができます。企業の場合であっても、10件の特許出願を内製化すれば450万円から1,000万円のコストカットとなり、浮いた費用を別の特許出願や必要な投資に充てることができます。

作業速度の向上と質の蓄積

内製化の大きなメリットとして、手続作業の速さが挙げられます。任意代理人に外注した場合、慣習的に仮案の納期だけで1か月から2か月がかかり、その後の修正ややりとりの繰り返しによって出願までの期間が大幅に遅れることがあります。競争の激しい分野では、この遅れにより他者に先に出願されるリスクが生じます。自社で内製を行った場合、発明が発生したその日のうちに特許出願の願書を完成させ、即日で特許庁へ電子出願することも可能です。

また、出願、権利維持、無効審判請求、異議申立、特許の国際出願、さらにはパソコンからのオンラインによる意匠登録や商標登録の国際出願など、すべての国内実務や手続きを自ら行うことで知見が蓄積されます。審判や訴訟での経験や教訓を次回の手続き書類の文面に活かせるようになり、全体の質の向上へとつながります。

よくある質問

意匠登録や商標登録に費用減免制度は適用されますか?

意匠登録または商標登録に対しては減免制度はありません。ただし、今後の国の知的財産権に関する方針が変わる可能性もありますので、最新の減免制度については特許庁の最新の案内を確認してください。

自身の減免区分はどのように特定すればよいですか?

まず「中小企業」「中小スタートアップ企業」「小規模企業」「研究開発型中小企業」「法人税非課税中小企業」「個人(市町村民税非課税者等)」「大学などの研究機関関連」「福島復興再生特別措置法の中小企業」などの大区分から該当するものを選択します。その後、特許法施行令の「第10条」「第1号」「イ」「ロ」「ハ」といった階層を辿り、イロハ順の文字まで特定します。特定した「特許法施行令第10条●号●」という記載を控え、審査請求や年金支払い時に使用します。

実用新案登録において減免制度が適用される対象者は誰ですか?

実用新案登録において減免制度の適用があるのは、「個人(市町村民税非課税者等)」の区分のみとなります。

任意代理人に外注する場合と内製する場合で費用はどれくらい異なりますか?

任意代理人に外注する場合、特許願作成と出願で25万円から60万円、中間応答で10万円から20万円、設定登録時の成功報酬で10万円から20万円がかかり、総計で50万円から100万円のコストとなります。自ら内製する場合、個人発明家であれば45万円から100万円の費用をゼロにでき、企業であれば10件の特許出願の内製化により450万円から1,000万円のコストカットが可能となります。

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