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特許権の質|検知容易性

特許権の質を判断する上で重要な要素となる「検知容易性」について、実務家と中小企業の担当者が自分でたどれるように具体的な視点を解説します。特許においては、検知容易性があることが重要であり、「検知容易性を高める3つの視点」により判断できます。

検知容易性を高める3つの視点

検知容易性は、以下の3つの視点から判断します。

  • 特許請求の範囲が、視認又はリバースエンジニアリングにより評価が完結する特徴のみで構成されていること
  • 競合他社の製品・サービスを、業者又は一般消費者の立場で取得・利用・閲覧できること
  • その取得・利用・閲覧により、対象製品・サービスが特許請求の範囲に属するかどうかの評価を完結できること

断定できないことは特許庁の最新の案内を確認してください。

検知容易性の具体的な判断と特徴の把握

特許請求の範囲と視認・リバースエンジニアリング

ここでいう「視認」とは、取引業者又は需要者の観点から製品・サービスを見たり、実際に利用したりすることによって、その特徴を把握し、文章化できることを意味します。これは、競合他社が自社の特許権を侵害している場合に、その侵害の事実に気づく実効性を高めるために重要です。

視認できる特徴の例としては、製品・サービスの仕様書に自然に記載される特徴や、仕様書には明記されていなくても、製品・サービスの外面に現れるため、観察すれば把握できる特徴が挙げられます。

リバースエンジニアリングにより確認できる特徴の例としては、製品・サービスの仕様書には明記されず、外面にも現れないものの、製品を分解したり、サービスを実際に使用してデモンストレーションを行ったりすれば確認できる特徴が挙げられます。化学分野であれば、分析により把握できる成分や、その含有率などもこれに含まれます。

競合他社の製品・サービスの取得・利用・閲覧

競合他社の製品・サービスにアクセスできれば、それが特許権の侵害にあたるかどうかを判断しやすくなります。反対に、対象となる製品・サービスにアクセスできない場合には、そもそも侵害されているかどうかを把握することが困難になります。仮に侵害の疑いがあったとしても、特許権侵害を検出することが難しくなり、結果として、特許権が経営戦略にもたらす恩恵を最大化できません。

検知可能性が低い例としては、以下のような場合が考えられます。

  • 特許請求の範囲が物品等の製造方法であるものの、競合他社の工場内に立ち入ることができず、確認のしようがない場合。また、完成品にその製造方法を用いた痕跡が残らないため、物品等を仕入れて分解しても、その製造方法を用いているか調査できない場合。
  • 特許請求の範囲が、情報を解析して一定の値を返すプログラムであるものの、そのプログラムが競合他社のサーバ内でのみ動作しているため、当該プログラムが使用されているか不明である場合。また、同じ値を返す解析方法が複数知られている場合であっても、ある値が返されていたとしても、特許請求の範囲に係るプログラムが使用されているか明確に判断できない場合。

評価の完結性と特許請求の範囲の設計

特許請求の範囲を作成する際には、取得・利用・閲覧によって、対象製品・サービスが特許請求の範囲に属するかどうかを評価できるように設計することが望ましいです。取引業者や需要者が実際に利用する場面に現れる行動や機能を主軸として記載することが重要であり、そのような記載を心がけることで、検知容易性を高めやすくなります。

よくある質問

質問:検知容易性を高めるために、特許請求の範囲にはどのような記載を意識すべきですか?

回答:取引業者や需要者が視認またはリバースエンジニアリングにより評価を完結できる特徴のみで構成することが重要です。製品・サービスの仕様や、実際に利用する場面に現れる行動・機能を主軸として記載することで、検知容易性を高めることができます。

質問:競合他社の工場に立ち入れず製造方法を確認できない場合、どのように考えればよいですか?

回答:特許請求の範囲が物品等の製造方法であっても、完成品に痕跡が残らず工場内にも立ち入って確認できない場合は、検知可能性が低くなります。このような状況では侵害の有無を把握することが困難になるため、検知容易性を考慮した権利化の検討が必要です。

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