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特許願(願書)の書き方

特許出願を行う際には、特許庁へ提出する願書の正しい書き方や、状況に応じた各種の手続きを正確に把握することが求められます。ここでは、実務家および中小企業の担当者が自ら手続きを進められるよう、国内優先権の主張、分割出願、そして拒絶理由通知に対する手続補正書の書き方について具体的に解説します。

国内優先権の主張と分割出願の基本

先の出願がある状態で新たな出願を行う場合や、出願の内容を調整する場合には、特許願に所定の項目を正確に記録する必要があります。

国内優先権を主張する特許出願の場合は、特許願に以下の項目を記録します。先の出願の出願番号と出願日を記録します。

【先の出願に基づく優先権主張】
【出願番号】 特願 2019 - 499999
【出願日】 令和 1 年 5 月 1 日
詳細については、第 3 編第 2 章第 1「⑴ 特許出願」も併せて参照してください。

また、先の特許出願を原出願(親出願)といい、その当初の明細書等に記載の範囲内でさらに新たな特許出願をすることを分割出願といいます。分割出願の主な使い道は、原出願が拒絶査定になった場合や、特許請求の範囲を組み立て直してもう一度審査にチャレンジするケースなどです。他にも、特許査定に不満がある場合や、競合他社の製品・サービスを知った後にそれらを技術的範囲に含ませるための手段にもできます。

分割出願をする者は原出願の特許出願人であり、【特許出願人】は同一になります。内容は原出願の出願当初と分割直前の明細書等に記載された事項の範囲内であることが必要です。時期的な要件としては、特許出願の審査中、特許査定を得て 30 日以内、最初の拒絶査定の謄本送達日から 3 月以内となっています。特許査定を得て 30 日以内にする場合、特許権の設定登録をする前に分割出願をすべき点に注意してください。

分割出願の特許願の書き方と様式

特許庁の公式の様式は、電子出願ソフトサポートサイトを検索するか、https://www.pcinfo.jpo.go.jp/guide/DocGuide.htm#Guide/Patent/Gansho/doc/PDiv_New.htm を検索してください。

分割出願の場合、「【書類名】特許願」の下の行に、特記事項に加えて、原出願の出願番号と出願日を記録します。親出願を元にして子出願をする場合、「【出願番号】」は親出願の出願番号を記録し、「【出願日】」は親出願の出願日を記録します。

例)
【書類名】    特許願
【特記事項】   特許法第 44 条第1項の規定による特許出願
【原出願の表示】
 【出願番号】  特願 2019 - 499999
 【出願日】   令和1年5月1日

子出願を成功させて、子出願を元にして孫出願をする場合、「【出願番号】」は子出願の出願番号を記録し、「【出願日】」は最も出願日が古い出願である親出願の出願日を記録します。

例)SPECIAL FLOWER の願書(特願 2025-112791)
【書類名】    特許願
【特記事項】   特許法第 44 条第1項の規定による特許出願
【あて先】    特許庁長官殿
【原出願の表示】
 【出願番号】  特願 2025 - 083902 ※
 【出願日】   令和7年4月6日 ※
※ このケースは、親出願(令和7年4月6日、特願 2025-062830)→子出願(令和7年5月 20 日、特願 2025-083902)と出願した後に、さらに子出願→孫出願をした際の孫出願の特許願です。【出願番号】は子出願の出願番号になっています。【出願日】は親出願の出願日になっています。

明細書、要約書・図面については、元となる特許出願書類のすべてを転記します。実務上、異なる内容を追記すると分割出願の要件違反になる可能性があるため、通常はすべてをコピーアンドペーストすることになり、それで審査基準上も問題ありません。特許請求の範囲も同様にすべてを転記した上で、変更又は拡張したい特許請求の範囲を決めて、手続補正書によって補正し審査請求をします。

拒絶理由通知と手続補正書の書き方

特許庁の審査官が審査基準を満たしていないと判断した場合は、理由とともに記載した「拒絶理由通知書(オフィスアクション、OA)」が出願人へ送付されます。すべての拒絶理由の解消を目指してください。

どのように補正すべきか意見が付されることがありますが、意見が付されないこともあります。その場合は自ら考えて補正書を作成します。補正書は、特許請求の範囲の補正で使用することが多いです。

様式は、電子出願ソフトサポートサイトを検索するか、https://www.pcinfo.jpo.go.jp/guide/DocGuide.htm#Guide/Patent/Hosei/doc/P_HoseiSho.htm を検索してください。

手続補正書の主な記載項目は以下の通りです。

  • 【書類名】手続補正書と記録します。
  • 【提出日】(任意)電子出願をする場合、出願日は自動的に記録されます。書面で出願する場合、案件を特定するために記載しておくと役立つ場合があります。
  • 【あて先】特許庁審査官からの拒絶理由通知等の通知に係る補正の場合は「特許庁審査官殿」と記録します。特許庁長官からの手続補正指令等の通知に係る補正又は自発補正の場合は「特許庁長官殿」と記録します。
  • 【事件の表示】【出願番号】の欄には「特願○○○○-○○○○○○」のように補正に係る特許出願の番号を記録します。
  • 【補正をする者】この欄には、出願に係る補正をする出願人を記録します。
  • 【代理人】(任意)委任代理人が手続きする場合に記載します。特許出願人自らが手続きする場合、この項目は必要ありません。
  • 【補正により増加する請求項の数】(条件必須)補正により請求項の数が増加した場合、この欄を設けて、増加する請求項の数を記録します。当初の請求項の数から増えた従量分の出願審査料金を追加で支払います。この項目には、増加する請求項の数のみ記録します。

よくある質問

特許出願の分割はいつでも行うことができますか?

特許出願の分割をすることができる時期には制限があります。特許出願の審査中、特許査定の謄本送達日から 30 日以内、または最初の拒絶査定の謄本送達日から 3 か月以内に行う必要があります。特許査定を得て 30 日以内であっても、特許権の設定登録がなされた後は特許出願が特許庁に係属しなくなるため分割できません。また、期間は延長等がされることがあります。詳細は特許庁の最新の案内を確認してください。

手続補正書のあて先はどのように使い分けますか?

特許庁審査官からの拒絶理由通知等の通知に係る補正の場合は「特許庁審査官殿」と記録します。一方、特許庁長官からの手続補正指令等の通知に係る補正や自発補正の場合は「特許庁長官殿」と記録します。詳細な様式や不明な点については特許庁の最新の案内を確認してください。

分割出願の特許願において【出願日】には何を記録すればよいですか?

親出願を元にして子出願をする場合は親出願の出願日を記録します。親出願→子出願→孫出願と複数の経緯がある場合には、出願日を遡及させたい規則となっているため、最も出願日が古い親出願の出願日を記録します。正確な記載方法については特許庁の最新の案内を確認してください。

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